Gio-Goi メモリーズ

2013年2月12日 15:10

先月1月18日にGio-Goi Limited(Gio-Goi の正式会社名)は破産の申請手続きに入りました。
1988年にマンチェスターで誕生して、2000年を前に一度ブランドをクローズしてしまいましたが、
2005年に新たな出資を受けて再出発、2007年には最も伸び率の高い企業ランクでもアパレル部門の
トップに選ばれるほどの復活をしました。2008年には英国各都市のメインストリートに直営店を出
すなど順調な発展を続けていましたが、2009年のリーマンショック以降、欧州全体の急激な消費の
冷込みに加えて、政府の金融引締め策の影響で資金の調達が難しくなり、自力での運営を断念せざる
得なくなりました。

現在、買収の名乗りを上げているアパレル関係会社がいくつか取り上げられていますが、すぐに最終
結論は出ないと思われます。こちらに入っている情報はまだ少ないのですが、創始者であるドネリー
兄弟は新しいブランドを立ち上げるというような話も流れています。
いずれにしろ、マンチェスターレイブシーンと共に幕を開け、その終了と共に第一幕を閉じたのに続
いて、00世代のUKミュージックシーンの盛上りと共に見事に復活した第2幕も今年が明けると共に閉
じることになりました。

ドネリー兄弟は気だての良い親分肌の兄貴アンソニーと、とても冷静で知略家のクリスの二人の絶妙
な組み合わせで、マンチェスターレイブカルチャーの中心的プレイヤーとなりました。ストリートで
飲んだくれてフットボール会場で大暴れする、ただのあんちゃんだった兄弟は仲間と大規模なレイブ
イベントを仕掛け成功させ、そこで大売れしたTシャツの売上を原資にGio-Goiをスタートさせました。
808Sstate,Stone Roses,Happy Mondays,New Order,などシーンの中核を担う彼らの仲間がこぞって
Gio-Goiを着て、単に音楽シーンに留まらないカルチャー、ライフスタイルということを世界に提示
しました。そのころはとても羽振りが良く、マンチェスターの中華街の大円卓やロンドンのYO!SUSHI
(回転寿司で当時最もヒップだった 笑)で気前良く振る舞ってくれたばかりか、マンチェスターに
滞在中のホテル代まで払ってくれたりしました。しかしそんな素晴らしい季節はマンチェスターブーム
の終焉とともに去り、追い打ちを掛けるように社長のアンソニーが警察の囮捜査で嵌められて(本人は
そう言ってました)収監されてしまいました。そのことでマンチェスターを逃げるようにロンドンに
移ってしまいました。その頃会った時にこうやってわざわざ昔通り、会いに来てくれるのはもうお前
たちように数少なくなってしまったよ、なんて悲しさそうに言ったのはとても印象に残っています。
しかし、それから6年後ドネリー兄弟の強力なネットワークでLily Allen,Amy Winehouse,Kasabian,
Arctic Monkeys等の00年代のブリテッシュ・インベンションを代表する面々をブランド・アンバサダー
に向かえ、華々しく復活をとげました。

今回も必ず彼らは復活すると思います。Gio-Goiはヴィヴィアン・ウエストウッドがパンク・ムーブ
メント、ポール・スミスがモッズ・ムーブメントからインスパイアされてフッション・ブランドとして
地位を確立していったように、英国の王道としてマンチェスター・ムーブメントから生み出された、
UKユースカルチャーの歴史の一つとしてもはや刻印されているのですから。

お客様からは今季春夏の入荷時期の問合せも多数頂いていましたが、残念ながら今のところ見通しは
全くたってません。現在サイトで販売している第2期のコレクション群は、春を本格的に迎える前まで
には全て放出します。フリーマーケットやポップアップショップで現品販売も計画中ですが、ひとまず
第2期コレクションは在庫分で終了となりますので、お早めの購入をおすすめします。

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