shop33 フリーペーパー 1995

2013年4月30日 17:15

吉祥寺shop33では店頭で配布するフリーペーパーを1995年から(多分)毎月発行していました。 今回のGio-Goiの破綻で商品構成や営業形態を変更しなければならない状況ですが、でもこんな時こそ私たちが何をやってきたのか、どのようなアーティストと関わりを持って来たのかを見つめ直そうと思い、保管していたフリーペーパーを掘り出して見直しています。昔は良かったと懐かしむ懐古趣味じゃなく、そのヒストリーから今を見直してわかることもあるんじゃないかと。そこでシリーズでブログにちょくちょく上げて行こうと思います。

初回は現代美術家の村上隆さんが1995年に寄稿してくれたコラムです。

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『しかし、最近の私の中のブームはナンといってもアニメですね。この3ヶ月ぐらいからN.Y.ではアニメばやり(今はジャパニメーションと言わずにAHNee-MAYと発音すると日本のアニメーということになっています。)今は「攻殻機動隊」のアメリカでのプロモーションの打合せのため帰国していますが、チョード時期バッチシといった感じで東京ファンタスティク映画祭の「マクロスプラス」「攻殻機動隊」「メモリーズ」の上映会を観たのですが、スゴイぞ〜、観客の熱気もクオリティも。チナミに「攻殻」は東京ファンタの動員記録を作り、1500人を超えてしまい、200人が入 れずに涙にくれたという...「メモリーズ」の涙くんは100人...とにかくスゲー熱気なのです。』

彼は当フリーペーパーに何度かコラムを寄稿してくれましたが、このテキストは1995年に世界のアートシーンを見て帰国したときのものです。しかし、アートに関しては最初に少し触れただけで、話の中心はアニメと映画への熱い思いやリスペクトへと向かいます。

『ナんでも吉祥寺はアニメの制作会社の、マンガ家さんのスタジオのソウクツらしく江川達也さんや大友さんがいるアニメ制作スタジオ「4℃」(日本のI.L,Mという!)等、ケッコーあるみたいっすよ。とにかくジャパニメーションブームがアメリカ本土を野茂トルネードエフェクトよろしくフキ荒れている最中に、甲殻やメモリーズという本当に本物のアニメーションが出てきたのはBESTタイミングとしか言いようがありません。』 (shop33 FREE PAPER 1995.9.27 TAKASHI MURAKAMI ART REPORTS)

1995年の彼は現代美術のアーティストとしては成功の階段を登りながら、かたやアニメや映画の熱烈な一ファンであり、それを創るクリエーターや監督をフロントで応援するサポーターでした。

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©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

それから18年経った今、映画監督として全国公開を果たした初作品は、今日的な日本の問題に正面から向き合いながら、エンターティメント性とテーマの深さではウォルト・ディズニーや宮崎駿を射程におく気概。やりたいことを実現させる計り知れないパワー。

この頃、USAで随一とされるニューヨーク・タイムズ紙のアート面で初めて取り上げられた時、ウォーホールのパクリとか散々なふうに書かれ、憤慨や消沈しているかと思いきや、否定や批判は全く関せず、取上げられたことのみに意味があると嬉々としていた器の大きさと冷静な分析に感服したものです。 映画三部作からテレビシリーズ、そしてその先の、世界でもう一人の村上ワールドはまだ始まったばかりです。

今回、このスミ一色のフリーペーパーを見直してみたら、この1995年11月号はなぜか以下の様に2つあって、もう一つはKEN ISHI氏のJELLY TONEの紹介でジャケットのアートワークは森本晃司氏。 これが敢えて2号複数で出したのか、どちらかが誤植なのかは今になっては思い出せないのです。何せ18年前ですから。でもどちらにも複数出すとは書いてないので、どちらか月を間違えたのか... たぶん自分の月号のチェックミスですね。ブログの今なら直ぐに修正出来るのですが、印刷物は刷り上がったら終わりです。そんな粗さも今となっては牧歌的な時代と可笑しく思えます。

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自分たちで発行していて、なんですが今読み返しても面白く、素晴らしいアーテイストの方々の貴重な話が詰まった僅か1,500部のマイクロメディアでした。 そんな小さな新聞は最初から最後まで10数年に渡り、全てたった一人の女性スタッフの手で作られていました。

text by Akira Aratake
Special thanx Miki Kodama(元shop33 編集スタッフ)

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