shop33とその後の物語 第一回 小倉拓也vol.2

2018年6月17日 12:00

前回に引き続き、小倉拓也氏との対談の様子です。
今回は、初めてREMINDを卸してくれた当時の思い出から、90年代の話を中心にお届け致します!

◆REMIND

荒武 小倉くんが33Tシャツを初めて卸してくれたのって何歳ぐらいの頃?


小倉 2021歳くらいの頃だったかなー33に何かを置かせてもらうことの怖さとか難しさとかっていうのはやっぱり感じましたね。

荒武 いやいや、そんなの感じてなかったでしょ(笑)。
初めての商品はもちろんREMINDTシャツだよね?

小倉 そうですね。「すみません、こんなの作ったんですけど」って感じで持っていきました(笑)。

荒武 「いいよいいよ」みたいな感じで受け取ったね(笑)。

小倉 あの頃は焦ってたというか。やりたいことは有るんだけど、何をどうしたらいいのかっていう立ち位置みたいな所を見つけられなかったんですよね。


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荒武 でも好きな音楽とか映画とかは

小倉 それははっきりしてたんですよね。33とやんちゃな先輩達のおかげで(笑)。クラブとかに行ったら、すでに自分の世界でもって過ごしちゃってるごきげんな方々が沢山いて、単純にお子ちゃまな自分は指を加えてみててかっこいいなと…。それで少しでもあの感覚の世界に近づきたいなと思って33に持ち込みました。33に置かせてもらえたって事自体で完了してしまってた所もありましたけどね笑。でも33に持ち込んでた皆さんもそうだったんじゃないかと思いますけどね。あの時期って音楽の自主制作CDとかも沢山持ち込みありましたよね?

荒武 そうだね。LEOPALDONとか。音楽以外にもあの頃は変わったソフトウェアも沢山置いてあってさ。


小倉 怪しいのが沢山ありましたねー。

荒武 デジタローグっているフロッピーマガジンのアートコンテンツばっかり置いてたお店が原宿にあって、33にもデジタローグのものも置いてあったんだけど。お店自体もすごいかっこよくて。


 

◆90年代への原点回帰

小倉 
今next33
で取り扱ってるSOVIETSはすごくいいですね。90年代スタイルと言うか。

荒武 そうだね、彼ららしいエッジの効いたデザインで。

小倉 今って懐古主義的なものって増えてますよね。例えばReebokとかPOLOとか90年初頭のデザインとかがまたリバイバルされてるし。勿論、今のラインと並行して出てるんですけど、あの頃の大胆な配色とかロゴの強さとかクラシックなものに対しての再認識な流れが出てきてますよね。権利関係とかはよくわからないですけど、RISING HISHのTシャツとか今Amazonで売ってたりするし。

Risinghigh.jpeg

荒武 そうなんだ!RISING HIGHのデザインはわかりやすいもんね。当時良く売れたなー。卓球さんが着てたりして。

小倉 あー、着てた着てた!

荒武 それまでも売れ筋の商品ではあったんだけど、何かの雑誌のグラビアで卓球さんが着てくれて、それで爆発的に売れたねー。

小倉 すごいシンプルなロゴなんですけどね、何だか惹かれましたね、当時は特に。

荒武 あの時代のイメージに合ってたんだろうね。

小倉 その頃にはもうThe Designers Republic(以下DR)とは関係はあったんですか?

荒武 ちょっとはっきりしないけど、その頃にはすでに会ってたかな?でも今は元DRのニックバックがロゴをデザインしたレーベルと一緒にTシャツ作ったり、昨年はイアンとも連絡とり合ったりしてて。DRが出てきたのもまさにあの位の時期だもんね。あの辺りのカルチャーってみんな8889年くらいから始まって、90〜96年くらいまでが全盛で。バブルの崩壊がターニングポイントなのかな、まさにカウンターカルチャーって感じ(笑)。それまでのバブリーなところから、所謂サブカルチャーってものが生まれてきたよね。
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小倉 それがうまくクラブシーンにうまく流れていきましたよね。それでより細分化されてアンダーグラウンドが面白くなってなっていって。

荒武 90年代ってそういう時代だったよね。だけど2000年代になるとまた変わってきて。村上隆さんの言うように、2000年以降は「スーパーフラット」で、分派ではなく何でもみんな一緒みたいな感じになるよね。ジャンルがなくなるというか。そういう意味でも、90年代はジャンル分けの時代だったね。次はなんだ次はなんだと色々なジャンルが生まれて、それを全てカテゴライズしていくような感じで。

小倉 音楽もそういう感じで色々出てきましたよね。特にロックと打ち込み系はそれぞれでかなりのジャンルが生まれてた気が…。

荒武 そうだねー。はじめのうちは面白いんだけどね、どんどん出てくるとちょっと疲れちゃったよ(笑)。でも世の中の流れがそんな感じだった。

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小倉 90年代は勢いアウトプットの内容に濃度があった時代ですよね。今は新しいジャンルが見えにくいですよね、というよりもう隔てる必要がないと言ったほうが良いのか…。僕なんて一つのスレッドしか持ってなくて処理が遅い感じなんですけど(笑)。なんか、今の人達は2つ3つのスレッドをパラレルストリーミングで出来てるから処理が早い気がしますね(笑)。いちいちジャンル分けとかしてたら、もう後ろが詰まっているのでバイバイーって(笑)。

荒武 そういう意味でもそれまでになかったものが生まれていった時代だったかもしれないね。

小倉 セカンド・サマー・オブ・ラブとかもその頃でしたっけ?

荒武 あれは88年位だから少し前なんだけど、さっき行ったように、80年代の終わりって90年代で全盛をむかえるカルチャーの萌芽期というか、予兆が合った時代だよね。

小倉 88年位にはあらさんはイギリス行ってたんですか?

荒武 初めて行ったのは89年かな。だからセカンド・サマー・オブ・ラブが終わった瞬間くらい。マンチェスターなんかはバギーパンツみたいなの履いたヒッピーみたいな人たちがうろちょろしてて(笑)。最初にマンチェスター行ったときには、オールドトラフォードで808stateがライブしてて。ボーカルがBjorkだったんだよ。

小倉 オールドトラフォードで(笑)!?

荒武 そうそう(笑)。Bjorkもまだそんなに有名ではない頃で。The Sugarcubesをやってる頃かな。何か小さい女の子がセンターで歌ってて。

808_state_bjo?rk_photo_pressan_feb_1991.jpg
出典)http://www.808state.com/image808/808state/ooops.htm

小倉 生でみたって…そんなすごい話聞いたことないですよ(笑)。まずはあらさんの歴史をまとめていったほうがいいんじゃないですか(笑)?

荒武 まあこういったタイミングでもないとしない話だからね(笑)。急に「昔オールドトラフォードで808stateにBjorkが参加してるライブ観てさー」とか話しないじゃん、普通(笑)。なんかきっかけでもないと。だからゲストの方々の思い出とともに一緒に歴史をアーカイブしていければ(笑)。


 

◆インターネットの出現とShop33

荒武 
90年代って
はインターネットがなかったから、自分で探さないと見つけることが出来ない時代だったよね。

小倉 今振り返れば、そのおかげで俺はこれを知ってるんだぞっていう自信とか自慢じゃないですけど、探すことによって一人優越感にひたれたりしましたね。自分自身はそういった部分でインターネットの出現で変わったっていう実感はないんだけど、今の人達は自分で探しだして実際に手にできたときの喜びみたいな感覚ってないんだろうなって思いますね。

荒武 俺はインターネットの出現で大きく変わったかなー。

小倉 それこそインターネットもタイガーマウンテンとか、ネットを使ったものを33がやってくれていたから、インターネット出現による違和感はあまり感じませんでしたね。

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荒武 33はそういった時代の流れの真ん中にいたから、もう溺れそうで大変だった(笑)。

小倉 運営している側は大変なんでしょうけど、お客としてはその流れを岸から見ることが出来て面白かったんですけどね。たまに小舟を漕いで渡ればいいかなって、矢切の渡しスタンス(笑)。

荒武 そういった時に、小倉くんみたいにアナログ感覚で変わったロゴで勝負するような商品を持ってくる人がいて、いろんなものがごっちゃになって楽しかったけどね。ただ、そういったもの段々が一般化していって。そうすると面白いものじゃなくなるというか、平素化されていってたよね。

小倉 33って凄いなーって思ったのって、極端な話、村上隆さんやそういった人たちのものと自分の作ったものが同じ店に並べられてて、よく考えたらおかしいでしょ?それを33は普通の感覚でやってたから。

荒武 それはね、スーパーフラット(笑)。

小倉 そういう中でもAsyuraなんかは初めて見た時にぶっ飛んでるなと思って、かっこよかったですね。

荒武 Asyura、Nendo、NU/KEとかあの辺りは飛び抜けているというか、プロの人達だなと思ったね。最初からもう基盤ができてたね。それ以外のブランドでもいい商品はもちろん沢山あったけどね。意識として、国内のグラフィックデザインとかアーティストと、海外のシーンのものを11くらいで混ぜて置きたいと言うのはあったかな。だからハシエンダとかGio-Goiとか持ってきてたし。レコードレンタルができなくなって、そこからCDも出てきたり、どんどん変わってきたからね。激動の時代だったというか。だから商売としてついていくってのは大変だったかな。

小倉 不思議だなーと思うのは、33のオリジナル商品って森本さんの吉TのとDRとのコラボTシャツ、Frogman RecordsでCD出したくらいですよね。

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荒武 確かそのくらいかなー。自分たちで作ったものって殆ど無いんだよね。

小倉 その辺もすごいなって。普通にShop33として商品を作れば売れますよね(笑)?なにか理由はあるんですか?

荒武 うーん、はっきりとした理由はなんだけど、そこにはあまり面白みを感じなかったんだよね(笑)。あの頃はDEPT.とかA STORE ROBOT、BEAMSなんかのロゴのTシャツとかあったと思うんだけど、そういったものはそれらのブランドに既に定着していたし。あれはあれでかっこいいから、むしろ33としてやる必要もなかったのかなって。だから敢えてそういった方向性に行かなくてもいいかなって。持ち込んでもらった商品だけでも面白かったし、自分たちを発信するんじゃなくて、発信基地みたいな感じになればいいかなっていうのもあったしね。
でも今考えるとロゴだけのシンプルなデザインのものを出しときゃよかったと思います(笑)。当時も色んな人に言われましたし…。

小倉 133Limitedって2000年くらいですか?

荒武 そうだね。

小倉 ついに33が原宿に出来た!ってすごい興奮しましたよ。


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荒武 あの頃はかなり野心的だったというか。でもすぐに引っ込んじゃったけど(笑)。元々限定だったんだけど、内装を変えて原宿店として再オープンしたんだよね。DRに内装をしてもらって、オープン時にTシャツとかオリジナル商品を並べる予定だったんだけど全然送ってこなくて何もないっていう(笑)。後々本当に申し訳なかったと言われた(笑)。でも何とかTシャツ3種類くらいだけは出せたんだけどね。

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小倉 よく言ってるんですけど、33自体もそうだし、33においてあったブランドもそうだし、33から発信してた人たちもそうだし、そういう人たちのアイディアは未だにもらってる感じですね。だから僕の原点というか。何をするにしてもまずはそこからなんですよね。面白い事をするためには何をしたらいいんだろうっていう、一番はじめの着想の仕方っていうのが、ホント33があったおかげで楽になってますね。楽しみながら、本当にいい経験させてもらいました。

荒武 僕自身も運営しながら、お客さんや商品持ってきてくれる人たちや店員と、一緒に皆でいい経験させてもらってたかな。


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次回最終回Vol.3は近日更新予定です。

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