shop33とその後の物語 第三回 森本晃司 vol.1

2018年10月21日 12:00

33ブログをご覧の皆様はじめまして。next33の木原と申します。
今回で第三回を迎えました「shop33とその後の物語」のゲストは、アニメ監督の森本晃司さんです!

森本さんの活躍は皆さんご存知の通りだと思いますが、33とはshop33の時代から、吉Tやエキジビジョン 「大吉ハイ!大凶デス!」など、様々な形でコラボレーションしてきました。
私個人としては、森本さんとは33に関わる以前から10年以上のお付き合いをさせていただいており、更にnext33の傍らで、A吉スタジオという様々なメンバーが集まるスタジオを共同で運営しています。
そういった背景もあり、今回の対談に参加させていただきました。
テーマである90年代カルチャーの話やshop33の話、ExtraやAKIRAの制作秘話、そしてものづくりにおける様々なお話をA吉スタジオにてたっぷり語っていただきました。
2004年以来となる森本さんと荒武との対談(http://next33.com/fp/200407-2.shtml)、ぜひお楽しみください!


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◆近所感

荒武  お久しぶりです。お会いするのっていつぶりでしたっけ?

森本  お久しぶりです。多分2,3年ぶりくらいですね。

荒武  スタジオの忘年会にお邪魔した以来ですかね。それで今回なんですが、33で最近ブログを再開しまして。今回のシリーズは森本さんが第3回目になるんですが、90年代のshop33のことから、33とは関係のないところで森本さんが経験したことやその当時の考えとかを、僕の経験や考えと交えて話をしていけたらなと。我々が出会ったのも90年代でしたしね。

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木原  そもそも二人が出会ったきっかけは何だったんですか?

荒武  僕は忘れもしないですよ。森本さん覚えてます?

森本  Ken IshiiのExtraの試写会じゃない?

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荒武  そうそう!吉祥寺にあったアップルダイナーというお店で初めて会ったんですよね。

森本  あそこはこの辺りのアニメ関係者とか漫画関係の人たちのたまり場で良く行ってたんですよ。

荒武  僕は当時お店も全然知らなくて。だけど当時、弘石くんがSMEのディレクターをやってて、Ken IshiiのPVを森本晃司が作ったのでその完成披露試写会に来てくださいって誘ってくれて。それがアップルダイナーだったんですよね。

森本  実は完成してからの初めての試写が吉祥寺のお店ってのも思い入れがあって。Extraで路地を入っていくビジョンがあるじゃない?あれって俺の中ではハーモニカ横丁なんだよね。Extraの前に監督したメモリーズの彼女の思い出って作品は舞台がフランスなんで、デザインもロココ調ですごい華美な感じなんですよ。例えば宮殿みたいなものを設定して描くじゃないですか?それを描けば描くほど、遠いものを感じるんですよ。遠いというか、実際には味わったことのないものを描いているわけで、そうすると、描けば描くほど、リアルにすればするほど、嘘くさくなっていくんですよ、自分の感覚的に。

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森本  だからその時に、なんで自分の知ってる場所を書かないんだろうっていうのが一つあって。自分の知ってる場所だったらそういったことを感じずに素直に描けるじゃない。だからその時に、なにやってるんだろうじゃないけど、自分の持っている武器を手放してるなーと感じたんですよね。

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荒武  そういう思いもExtraには入ってるんですね。

森本  その当時はディズニーとか海外の作品が面白いなと思ってて、逆に日本っていうのはあまり意識してなかったんですよ。だからこそ、大友克洋が日本人をかっこよく描いたのがすごく大きくて。おじいちゃんとか子供とかをそのまま描いていて。みんな鼻垂らしてたり、裸だったりするんですけど(笑)、それがリアルでかっこいいんですよ。

荒武  いやー、僕も初めて大友さんの絵を見たときにこれは今までになく、単純にかっちょいい!って思いましたもん。

森本  例えば童夢なんて世界に与えた影響って計り知れなくて。ターミネーターの登場シーンの空間表現なんてまさに童夢から来てたりするし。有名な壁にめり込むシーンなんて、見えない空間を絵で表現するっていうことを世界で初めてやってるわけですよ。描かれていないものに力を感じるというか、目に見えないものを描いたというか。

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森本  他にも、例えば目の前に弾丸が飛んできたとして、普通はスピードの早いものだからその弾丸に流線を描いたりしてすごいスピードが早いものとして描くんだけど、大友さんの場合はその弾丸を止めて描くんですよ。それで次のページを開くとバーンと頭を撃ち抜かれてるわけですよ。つまり撃たれた人が最後に見た瞬間ってのを表現してるんですよね。テンションが高くなればなるほど時間がスローになるような表現って、今まであまりなかったと思うんですよ。

木原 それって、やっぱりページ構成まで考えて演出してるんですか?

森本 もちろん。ページをめくるとかそういったところも大切にしてるし、コマとか絵の配置とかで読者の目線も誘導もするしね。童夢のチョーさんのアップなんか見開きでドンっとだして、あれもすごい画期的だったよね。普通おじいちゃんのアップなんて誰も見たくないもん(笑)。でも、読んでるとあの場面ではその絵が見たいっていう絵がきてるんですよ。それを逃げずに正面から描いていて。そういった表現が一個一個すごいんですよね。だから、大友さんが日本人をかっこよく描いてくれたというか、方法論も含めてこう描けばいいんだって示してくれたんですよ。

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森本  だからそういった影響もあって、俺も近所を描こうと思ったんですよ。例えばメビウスだって、実際に彼が描いてるのは身近な庭だったり彼が見てきたものであって、それを描くっていうことが強みだってわかってるわけですよ。我々がその風景とかディティールだけ真似しても、あくまでも偽物なんですよ。そういう意味で、自分の見てきたもので構築したほうが良く描けるんですよね。だからそれを使うべきだと思って、Extraには吉祥寺の路地裏とか身近な風景を色々と描いたんですよ。

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荒武  なるほどねー。

森本  当時の音楽にもそういった感覚を感じてて。近所を切り取っているというか、日本的というか。

木原  Kenさん作る音楽ってどことなく日本を感じることってあるじゃないですか?別に和の楽器とか旋律を使ってなくても。その辺って意識して作ることってあるんですかって聞いたことがあるんですが、特に意識することはないけど、自分が好きな音使いを詰めていくと自然と出てくることもあるかもしれないっておっしゃってて。

森本  Kenくんとはそういうところに共感してたのかもしれないね。

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◆出会い

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木原  いい話を沢山聞かせてもらいましたけど、二人の出会いの話をもう少し詳しく教えてください(笑)。

荒武  そうだった(笑)。僕は20代そこそこの時に人生で衝撃を受けた大人が二人いるんですけど、まず一人目は33の創業者なんですよ。貸しレコード屋として33はスタートしたんですけど、いつも楽しそうにされてて(笑)。その頃って、大学を卒業したらサラリーマンになる選択肢しかないって時代だったじゃないですか?でもオーナーはすでに自営業で立派にやっていて、すごく羨ましかったんですよね。はじめは客として通ってたんですけど、オーナーがそんな人だったんで、ここでバイトしてみたいなって思って働き始めたんですね。その後、事業転換されるということで、33をどうしようかと相談されだんですよね。そんな事があって、僕が引き継ぎますってことで今に至るんですよ。だから色んな意味で生き方を示してくれた人で。

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木原  そうなんですね。もう一人は?

荒武  そしてもう一人が森本さんなんですよね。さっき言ったExtraの試写会で初めて会ったんだけど、初めて会った時にベロベロに酔っ払っててフラフラだったんですよ(笑)。だから、「なんだこの人は!?」って思ってて(笑)。なにか危険な雰囲気があってびっくりしてたんですよね(笑)。そしたら弘石くんに紹介されて、この人がPVを作った森本さんですって紹介されて、「えっ!?この人が森本晃司なの!?」ってびっくりして(笑)。

森本  確かにあの時はベロベロだった(笑)。

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荒武  そしたらとりあえずこれを飲めって言われて渡されたのが、”特攻”という飲み物で。

森本  その他にも”神風”とかいろいろあったんだけど、まあ全部スピリタスなんだけど(笑)。これは酔いが早くていいやってよく飲んでたんだよね(笑)。

荒武  そうそう!それで”特攻”飲んだんだけど、そしたら俺も弾けちゃって(笑)。もう訳わかんなくなっちゃってそのままExtraで踊り始めちゃって(笑)。あれが自分にとっての第二の邂逅というか、こんな大人でいいんだっていう、それが人生二回目の衝撃だったんですよね。その後もその影響はずっと受け続けてて。どうしてくれるんだこんな人生になっちゃって(笑)!

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Photographed by Kei Murata

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