shop33とその後の物語 第四回 SOVIETS vol.1

2018年12月23日 12:00

shop33の時代にはnendo、level1、ketchuparts、SOVIETと一種独特、固有の初期ゲームカルチャー、当時のアンダーグラウンドカルチャーをサンプリングして個性を発揮したグラフィックレーベルの流れがありました。SOVIETS(ソビエツ)はその流れをくむ現在進行形のブランドで90年代から21世紀の今日に至るまで全くブレの無いスタイルで、また主たる仕事ではなく遊びの延長線上(悪い意味ではなく)でありながら完成度の高い作品を主にTシャツという形で33に数多く提供してくれています。

でもやはり私が一番印象に残っているのは、実店舗が吉祥寺の雑居ビルの3階から井の頭通りの路面店の移動した頃、野外に出してくれた大型バナーが印刷物でなく実際にペイントしたものだったのを見て、そのアイデアと実際にやってしまう行動力に並々ならぬ熱意を感じて感動を抱いたものです。実際に布地にペンキで描かれた大きなサインは広告と言うよりアートに近い、紙とは全く違った重み(そのまんまの意味も含めて)を伴った味わいのあるものでした。またLIQUIDROOMの多目的スペースKATAのイベントでもDJからトークショウの参加から司会、そして長いお付き合い中で色々なTシャツのコラボと様々な形でお世話になってきました。

そんな皆々様(言い方が堅いですね)ですが、今回のインタビューのように突っ込んで話を聞く機会は今までほとんどありませんでした。このインタビューで改めて知った裏話などが多くありました。ではその内容を興味深いグラフィックと共に3週に分けてじっくりお楽しみください。
(Akira Aratake)

 

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荒武 今日はよろしくおねがいします。

SOVIETS こちらこそ、よろしくおねがいします。

荒武 今回なんですが、このブログの読者はもちろん33を昔から知っている方が多いので、90年代カルチャーについても詳しい方も多いと思うんですが、Shop33を知らない若い世代だったり、それ以外の様々な人達にも今のサブカルチャーとは違ったサブカルチャーがあったっていうことを知ってもらいたいと思っていて。だから90年代辺りの話をレイドバックしながら、当時の体験とか考えをお互いに話しながら対談を進めていけたらいいなと思っています。90年代を話すことはノスタルジーでもあるんですけど、でもきっとそれだけではなく、今につながる何かがあるんじゃないかとも思っていて。そんな感じで第3回までこの企画をやってきていて、今回の第4回を昔から縁の深いSOVIETSさんにお願いできればと思ってやってきました。

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広岡 第2回に登場された児玉さんとはサムライチャンプルーで一緒に仕事してたんですよ。刀をステッカー・チューンしたみたいなやつとか、城がたくさんあるグラフィックとかを作ってて。

荒武 そうなんだ!つながってますねー。でもあのアニメもだいぶ懐かしいよね。

広岡 そうですね。十年以上前の作品ですが、ついこの間みたいに感じますからね(笑)。

荒武 気がついたら何十年も経ってますよね(笑)。僕も入院したのがついこないだみたいな感じですから。

Die 入院は何年前くらいでしたっけ?

荒武 もう4年半になりますね。

Die じゃあ皆でお見舞いに行った時にお会いして以来だから、あれから4年半も経っているんですね。

荒武 みんなどんどん歳だけとっていくんですよ(笑)。入院してる間は、なんか浦島太郎状態で竜宮城にいるみたいな感じでしたから(笑)。



◆LEVEL1、Ketchuparts

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木原 ちなみに、皆さんは顔出しOKなんですよね?Shop33の時代は名前を出していなかったとか…

内沢 そうなんですよ。ちょっとそこらへんややこしいので、SOVIETSについて簡単に説明させてもらいますね。SOVIETSというブランドは、広岡、Die、淳平、内沢の4人で運営してます。僕以外の3人は本業がデザイナーで、僕はライター/編集者です。また、Dieちゃんと淳平くんが実の兄弟でKetchupartsというデザインブランドもやっています。


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荒武 内沢さんはコンセプトってことですか?

内沢 僕もデザインしますよ。デザインのネタを考えたりとか。あとは、僕が一番年上なのでまとめ役みたいな感じですかね。それでSOVIETS(ソビエツ)の成り立ちなんですけど、その前身はSOVIET(ソビエト)という名前で活動していたんですよ。元々、2000年に僕と広岡さん、それとデザイナーの草野さんの3人でLEVEL1(れべるいち)っていう共同事務所を設立して仕事をしていたんです。それと同じくらいの時期にDieちゃんと淳平くんは上京し、KetchupartsとしてShop33さんにTシャツなどを卸してたんですよね。


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ローリング内沢さん

荒武 卸し始めた頃ってもうLEVEL1とKetchupartsは知り合いだったんですか?

Die 内沢さんのツテで東京に上京してきたので、内沢さんとはすでに知り合いでした。

荒武 そうなんだ。でもその前に草野さんはNendoでShop33に卸してくれてたんだよね。

広岡 そうですね、だから僕は草野さんに会う前からnendo graphixxxのお二人(草野さんと藤本さん)のことは知ってましたね。「この人たちがnendoかー!」って思いましたもん(笑)。


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広岡毅さん

内沢 僕もNendoに衝撃を受けて、影響された部分もありますね。

荒武 そうですよね、Nendoの衝撃というか流れってありましたもんね。そこからガーッと広がっていって。そんな感じでサンプリング文化が出来てきて、ネタを引っ張ってきていろいろ作る人が段々と増えてきましたよね。

内沢 やっぱり僕もサンプリング文化で衝撃を受けたのはNendoですね。Nintendoの社名を縮めてロゴを作るっていう。あれは当時、草野さんと藤本さんが学生ぐらいのときでしょ?あれを思いついて自分たちでウェアやステッカーを作ってたってことがすごく衝撃的で、それですぐコンタクトをとったんですよね。


荒武 それがNendoとはどこで知り合ったの?

内沢 たしか最初、藤本さんとはクラブで会ってるんですよ。当時、東京ビジュアルジャンキーズっていうイベントが渋谷の円山町であって、そこで初めて会いましたね。藤本さんがグッズの売り子か何かをしていて、そこでご挨拶させていただいて仲良くなったんですよね。



◆SOVIET? SOVIETS?

内沢 話は戻りますけど、LEVEL1は当時、三軒茶屋に事務所を構えていたんですよ。そこにいつだったかDieちゃんと淳平くんもその事務所に遊びにきてくれるようになって、色々話してるうちに「なんか皆でやりたいね」ってなったんですよ。それで最初にTシャツを作ろうって話になって、まず“日本電池基金”略してNDKってブランドを作ったんですよね。四角い9Vの電池があるじゃないですか?あれってあんまり使わないよねって話から、じゃああれを救おうっていうコンセプトで(笑)。なんか中二病みたいなネーミングなんですけど(笑)。

淳平 Tシャツとポストカードとステッカーを作ったんですよね。


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宮本淳平さん

広岡 全然覚えてないんだけど、さっき調べたら第二弾まで作ってたんだよね(笑)。

内沢 あれってどこで売ったんだっけ?

Die 当時渋谷に、DJブースが常設されたナムコ直営の”INTI渋谷”ってゲームセンターがあって、そこで友だちが集まって、サミットっていうクラブイベントをやってたんですよ。草野さんや広岡さんがVJやったり、僕と内沢さんがDJやったりしてて。確かそこで売ったんじゃないですかね。


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日本電池基金で製作されたTシャツ

内沢 あー、そうだったねー!それでNDK(日本電池基金)で2回ほどTシャツを作ってたんですけど、たぶんNDKって言われてもお客さんはよくわからないと思うし(笑)、もっとしっかりやりたいねって話になって、SOVIETS(ソビエツ)の前身となるSOVIET(ソビエト)って名前のブランドを作ったんですよ。それがちょうど2003年ごろ。そして2004年に初めてShop33さんにSOVIETの商品を卸しました。ちなみにSOVIETって名前は、「いまはロシアって名前だけどソビエト連邦のほうがかっこよかったのにね〜」っていう単純なノリです(笑)。


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Die なお、SOVIETを始めようっていう時に、せっかくだからLEVEL1であることもKetchupartsであることも隠して、ロシア人のデザイナーがやっていて、僕たちを経由して卸しているっていう体(てい)にしてたんですよね。

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Dieさん

荒武 みんな信じてましたよね、多分今でもみんな信じてるんじゃないかな?

SOVIETS いやいや、そんなことないですよ(笑)。

Die だって当時、誰がやってるのか聞かれたりしました(笑)?

荒武 いや、誰も聞かなかったですけど(笑)。逆にみんな聞いちゃいけないと思ってたんじゃないかな(笑)?でも当時は色んな国の商品を輸入してたし、外国に同じ名前のSOVIETってブランドもあったから違和感なかったんじゃないかな。

内沢 そうですよね。でも当時、Q'heyさんがSOVIETを気に入ってくれて、それを聞いて「ぜひ着てください!」って何枚かTシャツをプレゼントさせていただいたんですよ。その後、たしか荒武さん経由で、「ロシア人がやってるってのはたぶん嘘だよね、とQ'heyさんが言っていた」というのを聞いて、まあ皆にはバレてたんだなと思ってましたけど(笑)。

広岡 自分も久しぶりに当時のShop33のフリーペーパーに掲載された、SOVIETのインタビュー記事を読んだんですけど、こんなの信じるわけないよなー(笑)。
※当時のインタビュー記事http://next33.com/fp/200405-1.shtml


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Die しかも、当時は周到にSOVIETの公式ウェブサイトとかも作りましたよね。

広岡 そう。紹介文に、お寿司が好きです、とか書いたり、「ロシア」でネット検索した風景写真をベタッと貼ったり(笑)。

荒武 でもあのサイト格好良かったよね。

広岡 あのウェブを置くためにわざわざ有料ドメインとって、SOVIETをやめた後も、何年かはお金を払い続けてたんですよ(笑)。

内沢 そんな感じでSOVIETは2003年から2005年まで2年間ほど活動してたんですけど、一旦休止というか商品を出さなくなったんですよ。みんな飽きっぽかったんで(笑)。でもその後にShop33さんが、恵比寿でイベントを開催するので何かやってくれない?って誘ってもらって、SOVIETの新作を出して復活したんですよね。それが2012年。なんと7年ぶりに。


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※当時の記事
http://next33.com/blog/33/2012/10/11/189.php
http://next33.com/blog/33/2012/09/27/176.php
http://next33.com/blog/33/2012/09/25/166.php
http://next33.com/blog/33/2012/09/14/137.php

内沢 イベントでは、SOVIETの新作と当時の在庫を全部放出しつつ、僕ら4人で売り子をやったんですよ。でもそれでSOVIETの活動は終わってるんです。そこからまたやる?って話も何度かあったんですけど、それぞれ仕事が忙しくなったりで段々会わなくなっちゃって自然消滅してたんです。ただ、これまでのSOVIETの売上金が15万円くらい残ってて、僕がずっと預かってたんですよ。それで毎年「このお金どうする?」ってメンバーにメールはしていて、分けるんだったらまた皆でなにかやろうか、って話も出るんですけどいつの間にか立ち消えになり、そんなことをずっと繰り返してたんですよね(笑)。そして去年(2017年)に、もういい加減に一回集まってきちんと話をしよう、ってことになって、久しぶりに皆で集まったんですよ。そこで話してるうちに「せっかくだから、なにかやろうか」ってノリになったんですよね。


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広岡 淳平くんが「せっかくだからもう一度やりましょう!」ってすごく熱く言ってくれて。実際、淳平くんがいなかったらみんなで焼肉食べて終わってた気がする(笑)。俺とか内沢さんとかDieちゃんは正直ちょっとだけやって、終わろうと思ってたと思う(笑)。

内沢 そうそう。もうその売上金をパーッと使って終わろうくらいの感じで。でも淳平くんの熱い想いもあって再始動することになったんですよね。それでブランド名どうするって話になって色々考えたんですけどなかなか出てこなくて。SOVIET名義でやるとなると、これまで覆面ブランドとしてやってきたからいろいろ整合性が合わなくなることも多いし、ってことになって。まあどっちでもいいんですけど(笑)。

荒武 いやいや、絶対ダメですよ!信じてる人いるんですから(笑)!

内沢 それで語尾にSをつけてやろうってことで、SOVIETSというブランド名になったんです。

Die そう、しかも、もう顔出ししてやりましょうってことになったんですよね。

荒武 でもそこでSOVIETを複数形にするってアイディアもすごいよね。

淳平 いやいや、そんなことないですよ。ロゴデザインも頭文字のSをそのままコピーして後ろに持ってきて完成ですから(笑)。


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内沢 ややこしいんですけど、流れはそんな感じですね。

荒武 じゃあこの話はもう「告白」ってことですね(笑)。

内沢 ええ、「告解」に近いかもです(笑)。もし今回のブログを読んで騙されたと思った方がいらっしゃいましたら、「申し訳ございません。引き続きSOVIETSも宜しくお願い致します。」ということでお許しください(笑)。


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Photographed by Kei Murata

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