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先日、33の忘年会に行って〜ブラックレイン 2

先日、33の忘年会に出席した。ブログ関連の方々の参加で久しぶりに再会した方や初対面の方もいたが音楽談義に大変盛り上がりとても楽しい時を満喫させて頂いた。意外だったのは、世代は違っていても皆のルーツがロックだということだ。年齢的に青春時代の初期衝動的な音楽がロックであるのは当然ではあるが、性格や環境の違いからかシンセ嫌いで反骨的なギターバンド系以外は聴かなかった方、YMOや商業ロックも大好きだったという方々と千差万別であった。ただ90年前後のアシッドハウスやテクノの洗礼を受けてからは、皆のベクトルが同じなのが面白かった。

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33忘年会 2011年12月
今年ブログに寄稿して頂いた方々を中心に。皆さん感謝、感謝です。(33荒武)
左からshinさん、弘石さん(元33スタッフ、現U/M/A/A代表)、与田さん、Q’HEYさん、私、DUCKROCKさん
Photographed by Kei Mrata

さて前回に引き続きブラックレインについて書かせて頂く。

ブラックレインを辞めてから以前のブログでも触れたネオアコ系やジャズファンク系バンドの活動中、荒武氏(33)の影響でテクノにはまり始めた頃に休止となっていたブラックレインのリーダーであるステュワートから再開の話が来た。

ここで簡単にステュワートの経歴について紹介させて頂く。70年代後半にワシントンDCからニューヨークに移住しフュータンズというパンクバンドを結成。CBGB等でライブ活動を行い対バンは、映画監督ジム・ジャームッシュのバンド等だったという。その後インダストリアル系グループのアイクヤードを結成しファーストアルバムをファクトリー(英国)よりリリース、その後ベルリンに渡りマニュエル・ゲッチングの家に滞在しその時にラメルジーと出会う。帰国後アップロアからカール・コックスやDJヘルもサンプリングしていたドミネイトリックス・スリープス・トゥナイトをリリース、スマッシュヒットさせる。というとても輝かしい経歴を持つ男なのだ。彼との付き合いは、1982年頃に友人とやっていたメガロマニアというユニットのデモ制作のプロデュースをステュワートが引き受けてくれた時からである。

ブラックレイン1期は、インダストリアル・メタルというジャンルを提唱していたが2期になってからは、以前よりステュワートと交流があったSF作家ウィリアム・ギブスンのオーディオブックの音楽をブラックレインが担当したこともあってサイバーパンク色の強いコンセプトのユニットとなる。ご存知かと思うがサイバーパンクは、音楽のジャンルではなくサイエンス・フィクションのサブカテゴリーであって80年代にSFファンのみならず一般的にもポピュラーとなる。サイバースペース(電脳空間)は、ギブスンの造語でありコンピューターのネットワークに人間の精神やスピリチュアルなものが接続されている状態のことである。それは映画『ブレードランナー』の原作となるフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(1968年)に登場する「共感ボックス」という人々が心の拠り所としている装置の影響を受けており正に現代のTwitter やfacebookの予言といえる。

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『記憶屋ジョニイ』SFマガジンより
ブログ用にとステュワートが送ってくれた画像、ギブスンのサイン入り。

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『ニューロマンサー』オーディオブック(1994年)なんとU2も参加!

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『JM』サントラCD (1995年) ヘルメットやU2、もちろんブラックレインも参加。
荒武氏にお願いして日本から持ってきて頂いたCD!

BLACK RAIN 1.0

音楽的には、テクノの影響で打ち込み主体のプロダクションとなるが基本的にインダストリアルでありアシッドハウスやディスコ的なものは排斥されている。テクノやハウスにはまっていた私には、抵抗は無かったがステュワートは、一般的にも聴かれるようになった裏打ちのハイハットを嫌っていた。それは性別的な偏見という訳ではなくゲイカルチャーと結びつきの強いハウス・ミュージックにストレートの人間が抵抗を感じるという自然な感情であろう。ジャマイカンでない者がレゲエを演奏する時に覚える感覚と似ているかも知れない。楽曲自体は、限りなくテクノに近いインダストリアル・ロックといった感じでロックフレーバーを取り入れたテクノとは、相反するものである。当時は、時代の流れに逆らっている気がしたが久しぶりに聴いてみると近年のクリック的な楽曲もある。それはパーカッショニストであるステュワートが裏打ちハイハットに対抗して複雑なシンコペーションのハットやタムを手打ちでプログラムした成果だろう。

制作は、アヴェニューBにあった私のアパートのリビングルームの僅かなデジタルシンセとサンプラーを使って行われた。マルチレコーディングの設備もなかったのでマッキーでミックスしてDATに落とした。さすがにヴォーカルの録音は、プロツールのあるスタジオに足を運んだがまだ1ギガバイトのハードディスクが4Uの19インチラックサイズの時代だ。今ならパソコン1台で全てが足りる話だがハードウェアーのミキサー(確かサウンドクラフトの24チャンネル)を使ったミックスは、それなりにいい音をしている。

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BLACK RAIN 1.0 CD 1995年                                  NANARCHY CD 1996年 

セカンドアルバム『ナナーキー』では、今は亡きラメルジーもラップで2曲参加している。ジミー・テナーのバンドに参加していたギターの伊藤サトル君や80年代にパーティーピープルの日本女性代表としてヴィレッジ・ボイスの表紙を飾ったフィッシュもヴォーカルで参加している。スタジオも自宅スタジオの他、ドーファーのシンセサイザーを備えたアイクヤードの元メンバーが運営するスタジオや真空管のミキシングコンソール装備のスタジオを使いA-datだが一応マルチトラックを使って録音された。音楽的には、PCのシークエンサーも使いよりテクノ的な楽曲からギターをフィーチャーしたものまでと様々だが基本は、インダストリアルである。

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アヴェニューBのアパートの屋上にて
Photographed by Noyuri Tokiwa

その後、私が日本に帰国してしまった為にブラックレインは休止状態であるが1997年頃にニューヨークで制作した2曲と当時良質のブレイクビーツをリリースしていたオキシジェンにデモで送ったラメルジーの未発表の曲がある。既に10年以上経ってしまったがこれらの楽曲も今後リリースしようと考えている。ちなみに現時点では、オフィシャルに発表できないがロンドンのレーベルよりBLACK RAIN 1.0がアナログ盤で再リリース決定。(2012年初旬予定)しかもマスタリングは、ビートルズも使っていたスタジオで仕上がりに期待ができそうだ。これからもブラックレインを宜しく!

Profile

Shin Shimokawa

1980年から18年間ニューヨークに滞在。 ベーシストとしてラッパーのラメルジー(映画ワイルド・スタイル参加)をフィーチャーしたノーウェイヴバンドDeath Comet Crew(デス・コメット・クルー、以下DCC)に参加する。またギターやプログラミング等にて数多くのプロジェクトに参加し映画サントラ制作等の活動も行う。 90年代にはミックス・マスター・モリス、ハーバート、マットブラック(コールド・カット)を招いてのマルチメディアイベント 『ネオテリック』(足利、新潟、タイ)にDJ/LIVEとして参加。 99年、グリーン・ベルベット、DBX等参加のレイブパーティICM(インディアナ、米)にてヘッドラインを務めドラムンベースのライブ演奏を行う。 2003年、20年ぶりに再結成したDCCのライブを、ニッテイング・ファクトリー(ニューヨーク)で行い好評を得る。 同年ラメルジーとDJ Kenseiのプロジェクトに参加。05年、代官山ユニットにてDCC初の来日ライブ(共演プラスチック・セックス/中西俊夫、野宮真貴他)、翌年にフランスにて開催されたエレクトロ系の大規模音楽イベント『ヌイブランシャ』にてライブを行う。現在は、吉祥寺チーキにてイベント『サイケトロニカ』を開催したりテクノ系のプロジェクトやダブ系ユニットのUri Duble Nation等多くの活動を行っている。

主な参加音楽アルバム
『At The Marble Bar』Death Comet Crew(Beggars Banquet)
『Don’t Step On Tiny』She Never Blinks (Captain Trip)
『Colloquium』 V.A. /Carlos Peron、Martin Rev(Dark Star)
『Black Rain1.0』『Nanarchy』(Fifth Colvmn)
『Anti NY』V.A. (Gomma)
『This Is What You Mede Me』Rammellzee (Tri Eight)
『This Is Rip Hop』Death Comet Crew (Troubleman Unlimited / Delic Records )
『Number Pieces 2』V.A(Delic Records)
『ポルカ ポルルカ』V.A(Galaxy 5)

映画サントラ参加作品
『マリリンとアインシュタイン』(監督:ニコラス・ローグ)
『フラート』(監督:ハル・ハートレイ、出演:長瀬正敏他)
『JM』(原作:(監督:ロバート・ロンゴ、出演:キアヌ・リーブス他)

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