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90年代から00年代にかけて吉祥寺にshop33という、いろんなジャンルやモノ、コトを集めたごった煮的なミックス・カルチャーのお店がありました。もともと80年代は貸しレコード屋(懐かしい言葉)で、洋楽中心でマニアックな品揃えがマニアックな当時の吉祥寺の音楽好きやモノを創っている人達を集めました。90年代に入りそんなお客さん達が、創っている音楽や洋服や雑貨やアート作品やフロッピー(何と懐かしい)等ソフトウェアを見せてくれたり聴かせてくれたりすることが多くなり、じゃあそれらを店頭に置いて販売してみようかということになりました。1枚1枚手書きのTシャツや1点モノの洋服、DJ MIXのカセットテープ、同人誌、フロッピーマガジンや絵画やオブジェと手作り感満載の商品や作品が沢山揃い、これをまた買う人達が沢山いました。吉祥寺の周辺には美大生やミュージシャン、作家さんなどモノを創る人が沢山いたのです。そしてそんな自主制作的なモノを支持して買ってくれる人達が沢山いました。雑誌もCUTE(宝島社)やFINE(日之出出版)等がウチで扱っているようなインディーズの洋服を多く取り上げてくれて、吉祥寺以外の人達にも知られるようになりました。そのうちその中でもエレクトロミュージック・テイストなTシャツデザインのGRAPHIC MANIPULATORやヒップホップ、スケーター・テイストのGLOOMY FUTURE、FAKE CHILDRENなどブランドとしてファンが出来るまでになるデザイナーも現れるようになりました。でも、その頃はパソコンも高価で殆どの人が持ってなく、みんなアナログ手法でデザインを作っていたので、デザインもシンプルなものが多く、制作にも時間が掛かりました。

それから数年後、安価で高性能なMACが発売され、そんな手作りでモノを作っていた人たちがどんどんデジタルで複雑なデザインを早く創るようになり、それに伴って新しく持ち込んで来る人たちの作品や商品のクオリティーもスピードも一気に上がっていきました。中でも転写プリントにシルクスクリーンを重ねフロッピーをタグ代わりにし、デザインでも早くも日本語を使った近未来的でサイバーパンク・テイスト満載のASYURA FIRST(STEREOTYPE PRODUKTS)やゲーム・カルチャーを先取りしたNENDO GRAPHICXX、今やパリコレにも参加するJULIUSの前身、NU/KEなど完成度の高いブランドが現れ、多くのファンを掴みました。その後もグラフィックデザインチームLEVEL1、VANDALIZEのデザイナー一之瀬氏が在籍していたMINORITY、インディーズ・スタイルを貫く3F FOUNDATION、「シャア専用」でオバカTシャツの先駆けとなったANNOUNCER、当時のナードコア・シーンを背景にしたKETCHUP ARTSなどなど多くのブランドが生まれました。

洋服以外では、MACがまだMacintosh Classic(モノクロ!)ぐらいしか普及してない90年初頭に、ハイパーカードというMACに当時付属したソフトで作った、クリスマスツリーのグラフィックにオーナメント(飾り)を付けたり、何かすると雪が降るような簡単なゲームみたいなものの入っているフロッピーを持ち込んで来た人がいました。当時コンピューターのゲームソフトと言えば任天堂みたいな大企業じゃないと作れないと思っていた私は大いに驚き、ワクワクしたのを覚えて来ます。今の時代から考えるとまあ、なんと牧歌的な時代であったことか(笑)。でも自分でゲームを作るって、今でもそんなに簡単に皆がやってることじゃないですよね。他にはアロマテラピーという言葉がまだ全く一般的ではなかった90年代の始めに、アンビエント空間をイメージし独自に調合したアロマオイルの入った小瓶のペンダントを持ち込んで来たOLFACTORYというブランド等ユニークな商品を紹介することが出来ました。皆、とても創造的で、楽しんで、作品や商品を、またブランドを作っていました。

90年代は当店のような自分たちで作った作品や商品を販売する雑貨屋さんや洋服屋さん、セレクトショップが東京でも数店舗あり、どこもそのようなクリエーターの卵のような人たちが集まり賑わっていました。 しかし2000年辺りからインターネットが急速に普及し始め、人々が家に居ながらウィンドーショッピングも出来るようになり(しかも何でもあってお店より説明も詳しく)、そんなお店があった原宿や代官山そしてウチのあった吉祥寺までわざわざモノを見に行くスタイルは急速に減ってしまいました。もちろん今でも実際にお店のウィンドーや棚を見る楽しさはあるのですが。。 そしてウェブやブログが簡単に扱えるようになり、個々のクリエーターの作品や商品の発信も自分で出来るようになりました。お店という他の人への窓口がなくてもそれらを自分で販売出来るようになったのです。そうなればもうそんなお店の存在理由は殆どなくなりました。そうしてshop33も2007年に17年間(貸しレコード屋時代を入れると27年)の幕を閉じました。

それから5年、個々の発信は誰でも簡単になりましたが、世界中の膨大なネット情報の中で外の人へなかなか自分のモノをよりアピールしたり、自分が無意識に探してるモノを見つけることは反対に難しくなっているのではないでしょうか。そんな役割を大きく担っていた雑誌もどんどん減っています。そんな思いに至り、またshop33の時のように面白いモノ、コトを大募集して一緒に外に向かってアピールしたり販売したりしたいと思います。

ジャンルは問わず、有名無名も問わず、高い安いも問いません。是非我こそはと思う人は自分の作品や商品を持ち込んで下さい。一緒にクリエーションを楽しみましょう!

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