今からおよそ30年ほど遡ること90年代の始めには33(ex.shop 33)は色々なデザイナーやインディーズ・ブランドとコラボして、さまざまな形のイベントを企画していました。
そんな中でも1992年に公開されたインディーズ映画の「三月のライオン」を同年にフューチャーし、そのサウンドトラックのバンドの生演奏とDJ、そして映画の上映をミックスした一夜限りのイベントを吉祥寺のアイリッシュ・パブ『HUB』を借り切って行いました。そのイベントは『HUB』開店以来最高の入場者数を記録して、入場制限がかかるほどの大好評でした。
そんな出来事も30年の時と共に自分の脳の海馬のタンスの隅の隅に押し込まれ、忘却の彼方にありました。しかし最近いつも顔を出す吉祥寺の食べ物屋さん『ハレナリ』の店主で映画マニアの大智くんに「アラさん今、アップリンクで『三月のライオン』やってますよ!』と聞いて耳を疑いました。え、アニメのじゃなくて?と思わず聞き返しましたが、まさにあの『三月のライオン』でした。因みに将棋を題材にした『3月のライオン』の原作者はこのインディーズ映画のポスターを見て(映画自体は観ないまま 笑)そこから取ったそうです。
なぜ30年経過して再上映に至ったのか。何でもカルト的にマニアックな層に伝説のインディーズ映画として記憶され、強い要望に応えてアップリンクがデジタル・リマスター版として現代に呼び戻したとのこと。
今でも(3月30日現在)アップリンク吉祥寺、アップリンク渋谷、他ミニシアター系で上映されています。私のような還暦辺りのリアルタイムで映画を体験した人が再び訪れたのと同時に若い人たちもかなり多かった様な気がしました。そして時代を超えた名作になったと思います。かなり好みの分かれる作品だとは思いますが。
そんな当時を思い出し作品を観た後で(不覚にもエンディングで落涙してしまいましたが 笑)、はたと思いつきそのイベントを共同でやったインディーズ・ブランドのSOUL TRIPのデザイナーだった黒木氏に連絡を取り、何か出来ないかと相談したところ、「是非!」と快諾していただきました。何がいいかと考えたのですが、黒木氏は現在宮崎在住という事もあり、当時を振り返りながらオンラインで対談を行うことになりました。今まで『Room33』という企画を生配信で行ってまいりましたが、今回は収録という形にて『Room33』をお送り致します。もちろん当時のイベントに参加された方には懐かしい話が、また今回のリマスター上映で初めて『三月のライオン』をご覧になられた方も「公開当時はこんなイベントが行われていたのか」など、色んな発見があるかと思います。是非色々な方にご覧頂ければと思います。映画公開時の当時の雰囲気、背景など、更に映画を楽しんでいただける機会になれば幸いです。
また今回の企画に際しまして、『三月のライオン』の配給元でもあり、現在デジタル・リマスター版を公開しているアップリンク様より写真もご提供いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
第一弾の動画(全4回予定)の公開は4/4(日)を予定しております。是非ともご覧いただければ幸いです。